イギリス時間: 5月8日 25:00
少々お酒が入っているのでひどい記事になる可能性がありますが、IT Mediaの記事にあった、プレミアリーグがYouTubeに訴訟を起こした、という記事に少しだけ触れます。
英プレミアリーグ、YouTubeに集団訴訟 (IT Media)
ユーザの観点からすると、正直なところYouTubeで主要な試合のハイライトが見れるというのはやたらと便利で、これはこのままなぁなぁでいってほしい、というところでしょう。が、ビジネスとしてみるとこれは当たり前ですが、大ダメージになりかねないんですね。
プレミアリーグの放映権料は国内外あわせて3年で27億ポンド(6500億円くらい)、うち海外が6億2500万ポンドといわれています。放映権料の推移を予測するのはほぼ不可能といわれており、事実前回の放映権料がピークだと見た専門家は多かったのですが、今回さらに上がっているということからその難しさが見て取れます。今回は国内の1社完全独占放送が出来なくなったり、放映試合のばらつきが少なくなったりと、入札側にはうまみが減ったといわれているにもかかわらず、参入障壁が下がり、競争が激しくなったことが結果的に価格の高騰を招いたといわれています。
その予測が難しいといわれている放映権でも、多くの意見を占めるのは「海外の放映権料についてはまだ上昇の余地がある」というものです。プレミアリーグはエリアごとに1社、独占的な放映権販売をしており、実に日本を除く他の国では前回よりも大幅に放映権料が高騰しています。(Deloitteの資料より:日本は15%近いダウン) 今後プレミアリーグが海外への放映権販売に力を入れることは間違いないでしょうし、成功のためには購入者、つまり海外のTV局の利益を守らないといけません。「独占的に放映できる」という点が商品の最も優れた特徴であり、それがなくなると価値が大幅に下がるのは明らかだからですね。
こういった観点からすると、YouTubeは非常に厄介です。ユーザが勝手にアップロードした試合のハイライトが、大きなゲームではそれこそ試合後数分の間に世間に見られています。プレミアリーグはライブ、ニアライブ、ディレイ、ハイライトなど、試合の放映時間と内容を細かく制限しています。それが手軽にアップロードできる環境によって壊される恐れがあるわけです。特に海外の時差がある国々においては、ライブよりもニアライブの方が潜在顧客が多い可能性もあり、それをYouTubeで代替できるということになれば、放映権購入者のダメージは計り知れません。
しかし、私個人としては、YouTubeでハイライトを見るユーザと、TVで見るユーザというのはある種の棲み分けが出来ているのでは、とも思っています。個人的に、あの小さな画面と低い解像度で見るのは「スポーツを楽しむ」というレベルではなく、あくまで過去のハイライトだったり、放映されにくいマイナーなゲームだったり、そして今住んでいる地域では見られないゲーム(私の場合はJリーグですが)だったり、というところに需要があるのかなと思っています。そういった意味で、サッカーに関心の薄い顧客の掘り起こし、およびライトファン層の拡大という点で、良いPRになっているという部分もあるのではないかと考えています。(余談ですが、ハイライト番組を作っているTV局各社は、過去の番組をネットで有料配信することを検討すべきと思っています)
ただし、現実的には放映権購入者がどう考えるかという点を考慮しなければならず、さらに違法であることに疑いはないわけですから、こうしたアクションも出てくるでしょう。プレミアリーグには、TV一辺倒のビジネスモデルからの脱却など、もう少し柔軟な対応をしてもらいたいと思う部分もありますが、何せビジネスの規模がTVとネットでは違いすぎて今のところは考慮もされないでしょう。
個人的にはUEFAがやっているような、オンラインでのPPV配信を少し進めてみては、と考えますが、そうなると収入が不確実であったり、インフラの問題など課題は様々でしょうから、すぐにその方向に動き出すとは到底思えません。インターネット放送というジャンルでしっかりとお金を出す企業が現れた時、初めてプレミアリーグが新しい方向へビジネスモデルをシフトしていくのかな、とそんな風に考えています。
ちなみに、私が最大の問題だと思っているのはYouTubeなどではなく、中国や西アジアのTV放送をライブでインターネット受信できる違法ソフトウェアの方だと思います。私のコースメイトでも愛用者がいるようですが、あれはリーグやクラブにとって全く利益のない、単純な違法行為です。取り締まりは相当難しいでしょうが、なんらかのアクションを取るべきでしょう。
1年前はこんなことを書いてました:
2006年05月08日 復帰初日
ここしばらく、飲み会やサッカーの疲れ(?)からぐうたら生活が続いているので、そろそろペースを戻さないといけません。
2007年05月09日
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