2008年06月17日

FIMBA総括 その8

大変ご無沙汰しています。という書き出しで始まるのは、部活の朝練をサボった日の登校みたいなイメージです。なんだかやりづらいですよねぇ、サボった後って。

ちょっとあるFIMBA志願者の方から「結局論文とか就職とかってどうなったんスか」と問い合わせがあったので、尻切れとんぼで終わっていたFIMBA総括の最終回を書いてみようと思います。トピックはプレイスメント、修論、そして就職です。

若干、FIMBA志願者の方が読まれている部分を意識して書いているせいで、そうでない方には鼻につく部分もあると思いますが、どうぞご容赦ください。


◆プレイスメント

おそらくこのブログでは書かなかったと思いますが、結局5月にリバプールFCでのプレイスメントの機会を得ることができ、2ヶ月程そちらで日本市場の開発とその戦略についてリサーチをしていました。

FIMBAの評価が分かれる1つの大きな理由は、おそらくこのプレイスメントに関するものだと思います。以前にも書いたと思いますが、プレイスメントを獲得するための大学側のサポートはあくまで”どのドアを叩けば良いか教えてくれるだけ”です。つまり、担当者のメールアドレスをくれたり、教授によってはその方に電話を一本入れてくれたり、というレベル。あとは「よし、それじゃあ行ってこい!」ですから、正直プレイスメントを”待って”いる人にはたまったものではありません。

私も”待って”いた人でしたが、待っても待ってもダメだったので(笑)方法を変え、リバプールFCに対しては自分なりに先方の課題を整理し、自分の過去の経験が生かせる形で対応策を検討し、それをスライド数枚に落とし込んでプレゼン機会を得ました。見逃しがちですがこの”自分の過去の経験が行かせる形で”という部分が実はキモで、自分が今まで関与した事のない部分に対して難しいプレゼン資料を作ってみたところで、やはり実効性という面で現実味がなかなか出てこないんですね。それは”状況の整理”であって、「そこであなたはどう貢献できるのか」という単純なことを忘れてしまっています。というわけで、私はIT、モバイル、ネットというある程度自分が経験した分野を中心にリバプールFCの経営課題を整理しました。

もちろん、ベストを尽くしても最後は運頼みだったりします。これがなかなか受け入れがたいんですが、まぁ実際のところ世の中そんなものですよね。いくら相手のためになる、とか、自分がすごく頑張った、とか言っても結局のところ相手方に理解/評価をされないとやりたいことはできません。そういう意味で、タイミングとか担当者の性格とか、様々な要因が関わってくるわけで、個人的には最後の最後は”ラッキーかどうか”というところが大きいかもしれないと思っています。


◆修士論文

修論は色々なやり方がありますが、最もオーソドックスなのがプレイスメントを修論のテーマに沿った形で行い、実践を通して書いて行くことです。私はプレイスメントで20,000ワード程度のレポートを書いていたので、最終的な手直しはそれほど時間がかかりませんでした。期間は早い人で5月から始めて、遅い人でも7月中旬には始める感じでしょうか。締め切りとなる9月末から逆算して、どの時期までに何をすれば良いか、というプランを立てて行くことになります。

私の論文のテーマは”オンラインコミュニティにフォーカスをあてた欧州クラブによる日本市場の開拓”でした。文献レビューは早めから始めていたものの、プレイスメント中は忙しくてほとんど読んでいる時間がありませんでした。良い評価を得られる論文は、大抵”Primary Research”と呼ばれる、インタビューやアンケートから得られる”生の情報”が豊富に含まれているということもあり、プレイスメント期間には一時帰国して、20名程の日本のサッカー関係者にインタビューを行ったりもしました。

文献レビュー、インタビュー、アンケート、そしてデータ分析を通じて主張を組み立て、最終的には15,000〜20,000ワードの論文が完成します。9月末が近づけば普段見ない顔が図書館に現れたりして、みんなが切羽詰まっている様子が伺えます。私もその”切羽詰まり組”の一人で、最後の詰めは自宅ではどうにも集中できなくなり、図書館に一日中こもりきりだった日も少なくありませんでした。

論文の評価は自分の担当教官に加え、FIMBA内の他の教授と外部の教授によってなされます。私はアジアに理解と興味のあるDr. Rogan Taylorが担当だったことに加え、プレイスメントを通じて多くのインタビューができた事で、思いがけず最優秀論文賞をいただくことができました。今までも日本人の卒業生の皆さんが何名かDistinctionと呼ばれる70%以上の高得点をおさめていたこともあり、自分も頑張らねばと思っていたので、論文については非常に満足のいく結果となりました。


◆就職活動

既に以前のエントリでお話したとおり、現在グラスルーツサッカーのベンチャー企業に就職し、ビジネスオペレーションの責任者という立場で日々勉強しながら忙しく過ごしています。現在の会社以外にもいくつか良いお話をいただいたのですが、経営の現場でFIMBAで得たもの(今は主にNon-Footballの部分ですが/笑)を実践してみたい、ということが決め手となりました。実際、資金計画やら収支予測、事業リスク分析などを日々やらせていただきながら、一方で営業、ウェブサイト管理、果ては芸能人のマネージャまがいの仕事まで任され、実に多様な経験を積んでいます。それこそ自分が投資家の方に事業計画をプレゼンするチャンスがこんなに早く頂けるとは、夢にも思いませんでした。経営の責任を一部でも負うということが、これほど貴重な経験になることも、実感として勉強しています。

で、就職活動ですが、これも今まで多くの方々から質問を受けてきました。「FIMBAを卒業すれば就職できるのか」「FIMBAを卒業することで就職にどういうメリットがあるのか」「FIMBAに行けばヨーロッパで仕事ができるのか」などなど、志願者の皆さんの関心が最も高いのがこの点だということなのでしょうか。これらの質問に答えるとすれば、”わかりません”です。というのは、目標の設定や自分の動き方で随分変わってくるからです。私の場合、ブレにブレていた自分の進路を固める機会になったのはプレイスメントで、プレイスメントに対して上述のようなアクションが取れるようになったきっかけは、現在欧州の中枢で働くある方からいただいた数々の助言のおかげです。あそこで助言がなければ、そしてプレイスメントもできていなければ、何もかも違った答えになっていたことでしょう。

そういった意味で、前出の質問は皆さんがそれぞれ違う答えを見つけることになります。FIMBAを出て欧州で働いているアジア人もいます。FIMBAを卒業してもサッカー界に縁がなかった方もいます。FIMBAをやったことでサッカー界に興味を失った方もいると聞きますし、FIMBAが何も就職活動の役に立たなかった方もきっといると思います。それをどう受け止めて、どう解釈するかは自分次第ということです。

私は実際の就職活動を日本で始める前に、前段としてプレイスメント中のインタビューを活用しました。名のあるクラブでプレイスメントができていたということで、比較的サッカー界の皆様にも時間を割いていただく事ができました。また、皆様非常に親切な方が多く、卒業後にご挨拶ということで再度訪問した際には、就職活動に役立つたくさんのアドバイスをいただきました。

結果として、日本サッカー界の中核である某組織や、サッカー界のビッグプレーヤーになりつつあるいくつかの企業から、正式なオファーをいただくことができました。しかしどれも、(1) 留学中に知り合った方々のツテでお会いして (2) 自分がやってきたことをしっかり伝えて (3) 仕事をする上で何がやりたいのかを明確にすることで得られた結果で、留学と無関係かと言われればそんなことはありません。特に私のようなサッカー業界と何も関係がないところでキャリアを積んだ人間にとっては、FIMBAはキャリアチェンジのトリガーになってくれた非常に重要なポイントでした。ちなみに、現在の会社のボスと知り合ったのもFIMBAの関係者からの紹介だったりします。また、ボスがFIMBAを知っていて、大変に興味を持ってくれていたことも幸いしました。

私の話だけでは参考にならない部分も多いと思うので、他の同級生の近況に簡単に触れます。ダイはJリーグのクラブにプレイスメントをした後、そのままクラブから仕事をオファーされ、現在はそちらで忙しい日々を送りながらFIMBAで得たサッカービジネスの知識を現場に生かしているようです。Jリーグでのプレイスメント後、FIFAクラブW杯の仕事で人脈を広げたリョウヘイは、今は某大手スポーツメーカーで戦略立案に関わる仕事をしています。タカはサッカー業界ではないものの、自身が将来につながると感じた、可能性のある仕事に就きました。それぞれアプローチもゴールも想いも環境も違いますが、自分なりにFIMBA、あるいは留学というものを生かした結果がこういう状況なのだと思います。


◆まとめ

FIMBAに限った事ではないでしょうが、結局何をゴールにするかによって留学が良いか悪いかという判断は変わってきますし、何より得られるものが変わってくるはずです。私の場合は、繰り返しになりますが、”サッカー界へのキャリアチェンジのきっかけとしてのFIMBA”という位置づけでした。国内外の人脈の形成、経営学の知識の習得、欧州サッカーの現場の体感、実践的な英語力の獲得、そして”やりたいことをやる”ことの重要性の再認識というおまけ(といってもどれも私にとってかけがえのないもので、キャリアチェンジとも密接に結びついたもの)が付いてきましたが、私にとって最も価値があったのは、キャリアチェンジが成功したことそのことです。

本ブログが開店休業状態になってしばらく経ちますが、今なお留学を迷っている/検討している方から少なからずお便りをいただいています。しかし私がお答えできるのは、上述のような「自分がどうだったか」というお話だけです。それをどう解釈して自分なりの価値を見出すか(あるいは見出さないか)は自己判断です。投資するお金や時間、犠牲にするもの得られるもの、悩んだのをきっかけにあらゆる要素を検討してみてはと思います。

また、留学で非常に大事になるのは準備です。準備が十分でなければ、現地で得られるものの量と質が格段に変わってくることは間違いないと思います。経験上、留学の成否は半分以上準備にかかっていると言っても過言ではないと言えます。

最後に、FIMBAの総括、というところからは少しそれてしまいますが、少しだけ蛇足がちなお話を。物事の見方はいつだって二通りあります。私にとって良い点は誰かにとって悪い点にもなり得ますし、その逆もまた然りです。また、行動を起こすか起こさないかはいつだって自分の選択です。ただ無鉄砲にやることを勧めはしませんし、やれば必ず報われると言うつもりもありませんが、何かしら達成した人はほとんどが自ら何か行動を起こしている人である、と私は思います。

何かが与えられるのではなく、自ら行動して何かを得ようと思うことが大事なのだと思います。これからFIMBA留学を志す皆さんは、是非能動的、積極的に頑張っていただきたいと思います。

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2007年06月05日

FIMBA総括 その7

イギリス時間: 6月4日 23:00

なんだかネットワークの調子が悪く、昨日はアップできませんでした。というわけで、この記事は翌5日の日中にアップしています。

さて、今日は総括シリーズの最終回ということで、私の個人的な感想をとりとめなく書いていこうと思います。あくまで個人的な感想なので、一意見として読んでいただければありがたいです。なお、特に注意がない限り、これは6月4日現在のことです。


● 費用について

MBA留学への投資はバカになりません。時間的にも金銭的にもかなりかかります。具体的に言えば、FIMBAの場合は授業料だけで約300万円、生活費が家賃込みで月10万と安く見積もっても、全部で400万円超かかるわけです。加えて教材費やコースワークでの遠出の際の旅費、さらに本場のフットボールをスタジアムで見るための予算などを含めると、ゆうに450万円〜500万円くらいにはなります。さらに、FIMBAは他のMBAのように「終わったら高待遇の就職が待っている」ということはあまり現実的ではありません。”1年間留学して楽しかった”で終えないように、投資をどういったリターンに変えるか、ということはしっかり考えておくべきだと思います。


● MBA=人!

個人的に、リターンをどこに求めるべきかといえば、MBAを通じて知り合う人々ではないかと考えています。総括その2で書いたとおり、MBAの最大のメリットは人脈形成にあると思います。もちろん、授業を受け、課題をこなすだけでも相当なフットボールビジネスに関する知識は身につくので、FIMBAに参加することだけでも十分に意義がありますし、実際に日々の仕事で生きるのはモジュールで得た知識がベースとなることが多いのかもしれません。しかし、コースを通じて築くネットワークは、仕事だけでなくプライベートに関しても大きな意味を持ちます。さらに、今後益々グローバルになっていくであろうフットボール産業において、世界各地にコンタクトポイントがあるということは実に素晴らしいことです。

コースメイトの存在は、ネットワーク形成におけるコアだと思います。そしてそのネットワークを強くするのも弱くするのも、コースでの自分の過ごし方次第です。欧米系の友人の中には、学校でほとんど発言しないアジア人の学生を”にこやかで良い人達だが、何を考えているのかは正直なところ良くわからない”と評する人もいます。積極的にコースメイトとコミュニケーションを取り、授業にも参加することで、徐々に仲良くなっていくというのは、日本でも海外でも同じことだと思います。言葉の壁を感じることもあると思いますが、怖気づかずにコミュニケーションを取れるかどうかが肝です。


● 英語の上達

留学というと一般的にこういうことがあるのかもしれませんが、英語の上達は、同じ時間同じ土地で過ごしていようと、人によってばらつきがでます。FIMBAのコースメイトにも、英語がほとんど上達していないのでは、という人もいます。第2セメスターの後半になっても”授業を受けても良く聞き取れない”とか”意見を求められても何も答えられない”とか。こういった状況を避けるためにどうするか、アジアにもビジネスで何度も訪れ、多くの留学生を見てきたRogan教授に言わせると、「とにかく英語だけを使って生活する努力をしろ」という当たり前の回答が返ってきます。ネイティブの学生とのコミュニケーションを増やしたり、テレビやラジオでリスニングと語彙を強化したり、とにかく自分で工夫してやらない限り、本当に使える英語を身につけるのは難しいでしょう。こんなことを偉そうに書いている私も、実践的な英語力がしっかり身についたかといわれるとまだ自信がありません・・・。


これでひとまず現時点でのFIMBA総括を終えたいと思います。本当なら「FIMBAをやって本当に良かった」とか分かりやすい感想が書けると良かったのですが、実際のところこれから修士論文と就職活動という2つの大きな山場が残っているので、その辺りはそれが終わったあとにすっきりした気持ちで書きたいと思います。

明日以降はまた通常のグダグダ更新になりますので、引き続きお付き合いください。


1年前はこんなこと書いてました:
2006年06月04日 いよいよテスト
準備コースのテストはそこそこ良い成績でしたが、こっちのテストは散々な結果でした・・・。

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2007年06月04日

FIMBA総括 その6

イギリス時間: 6月3日 23:30

今日はあいにくの曇り空だったということもあり、家から一歩も出ずにぐうたらした生活をしていました。明日からは本格的に論文への取り組みを開始するつもりなので、今日が最後のぐうたら日・・・のはずです。

さて、今回の総括では、推薦図書の紹介をしたいと思います。FIMBAに入る前に読んだ本と入った後に読んだ本とごちゃ混ぜになっていますが、それぞれの本についてどういう場で活用できたかということに触れていますので、参考にしていただければ幸いです。

まずはスポーツビジネス関連の書籍です。

1. 「Jリーグ」のマネジメント―「百年構想」の「制度設計」はいかにして創造されたか 著者:広瀬 一郎

Jリーグの成り立ちとその後の10年について理解するための必読書です。スポーツイベントが巨大ビジネスとなったロス五輪とその後の発展などにも触れており、スポーツビジネスの入門書としても読める一冊だと思います。FIMBAのエッセイやプレゼンをやるにあたり、何度か本書から引用しました。

2. Jリーグの挑戦とNFLの軌跡―スポーツ文化の創造とブランド・マネジメント 著者:佐野 毅彦、町田 光

アメリカで最も成功しているメジャースポーツといわれるNFLと、Jリーグを含むフットボールの仕組みやコンセプトの違いについて読みやすい文体で簡潔にまとめてあります。アメリカと欧州との地域密着や社会貢献のスタンスの違い、スポーツの役割の違いなども読みながら知ることができます。この、アメリカ型vs欧州型というテーマは、リーグの競争率やクラブの二極化といった、Football and Financeで触れるような内容を理解する上で非常に重要です。もちろん本書だけでは足りませんが、きっかけとしては良い一冊だと思います。

3. トップスポーツビジネスの最前線―「勝利」「マ-ケット」「普及」のトリプルミッション 編著:平田 竹男、中村 好男

 トップスポーツビジネスの最前線-スポ-ツライテングから放映権ビジネスまで 編著:平田 竹男、中村 好男、いわさき ちひろ

 トップスポーツビジネスの最前線―勝利と収益を生む戦略 編著:平田 竹男、中村 好男
 
私が買った時講義の行われた年度をベースに2冊に分かれていたのですが、今は3冊になっているようですね。しかも値段がちょっと高い気が・・・。それでも様々な業界の著名人がビジネスについて分かりやすく語っているこの本は必読です。講義形式で書かれているので少々読みづらさを感じる部分もあると思いますが、逆に肩に力をいれず読めるというメリットもあります。スポーツビジネスと一口に言っても、実に多岐にわたるプレーヤーがいるということを理解することと、その中で自分がどう生きるのかということを考えるのにも役立ちます。エッセイやプレゼンでの使用はほとんどありませんでしたが、絶対に読んでいただきたいシリーズです。

4. スポーツMBA 編著:広瀬 一郎

スポーツビジネスの概要からマーケティング、IT、法務、HRと主にクラブの観点でビジネスに必要なものを網羅している一冊です。エッセイやプレゼンで活用できる類の本ではありませんが、この手の本が日本ではおそらく出たことがないということと、おおまかにクラブのビジネスの要点を理解するという点で読んでおきたい一冊です。あわせてプロスポーツクラブのマネジメント―戦略の策定から実行まで 著者:武藤 泰明もオススメです。

5. アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争 著者:バーバラ・スミット 訳者:宮本 俊夫

簡単に言えばスポーツビジネスにおけるビッグプレーヤーたる2企業の歴史について語られているのですが、何よりその内容の濃さと、スポーツビジネス界におけるプレーヤーの相関図が見えるということでオススメしたい一冊です。欧州フットボールビジネスに興味があるのであれば、この本は必ず読むべきだと思います。もちろんエッセイなどに使える要素はほぼ皆無ですが、W杯ビジネス30年戦争 著者:田崎 健太とあわせて読むと、業界のアウトラインやビジネスの実際を知る上で非常に役立ちます。

FIMBAへの入学が決定していて、時間があるという方は、以下の3点を読んでおければなお良いと思います。ただ、日本での入手は難しいので、こちらに来てから読むのでも全く遅くはありません。

- The Football Business (David Conn)
- Football Inc. (Craig McGill)
- The People's Game? (Stephen Morrow)

コネタとしては Football Confidential (Kevin Mousley他) という本が面白いかもしれません。


つづいて、娯楽本の類として読んでおいて役に立ちそうなものです。

1. ぼくのプレミア・ライフ 著者:ニック ホーンビィ、訳者:森田 義信

イングランドの熱狂的なフットボールファンというものを知るために読んで欲しい一冊です。Fever Pitchというオリジナル(洋書)もあるので、そちらを読んだほうが良いかもしれません。

2. CDブック フットボールの英語 Total Book 著者:カール・R・トゥーヒグ

参考に読む本というよりも、近くにおいておいて暇なときにぱらぱらと見るような感じのものですが、フットボールのゲームで聞かれるファンの応援歌(Chant)やスラングをここまでしっかり紹介している本は他にないと思います。シーズン前にこれで余計な知識を増やして、アンフィールドやグディソンに乗り込むと良いでしょう。

3. 川淵三郎 虹を掴む 著者:川淵 三郎

色々意見はあると思いますが、現在の日本フットボール界のトップが自分の言葉でJリーグの成り立ちとその思いについて書いているということで、個人的にはフットボールビジネスに関わろうと思うのであれば是非読んでおくべき本だと思います。

4. サッカー批評(全般) 双葉社

出版されているサッカー誌の中でも非常に内容の濃いもので、中にはプレゼンのネタになるような記事が多くあります。私も4冊ほどこちらに持ってきていますが、暇つぶしにも知識の習得にも役立つ良い雑誌だと思います。


その他、事前準備のために、グロービス・マネジメント・インスティテュートのMBA本シリーズを読んでおき、苦手なものは持参すると良いと思います。私はファイナンス、マーケティングの2冊にはかなりお世話になりました。アカウンティング、人材戦略なども日本語での参考文献として持ってくると良いかもしれません。

また、イギリスという国そのものに関する書籍を読むのも良いと思います。私の場合は故・森嶋通夫先生の本はかなり楽しんで読めました。もちろんその知識がそのままどこかで生きるか、というのは分かりませんが、知っておいて損はないですし、コースメイトとの話題のネタにもなります。話題のネタという点では、やはり音楽や映画も良く話に出てきます。映画が好きな人は邦題だけでなく英語の題名も知っておくと良いでしょうね。


さて、次回は現段階での私の個人的な感想を述べて、総括の第一弾を終えたいと思います。


1年前はこんなこと書いてました:
2006年06月03日 準備コース9週目終了
準備コースも前半戦が終わり、という頃でしたね。だいぶ慣れてはきていたと思いますが・・・。

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posted by gouk at 07:52 | Comment(0) | TrackBack(1) | FIMBA総括
2007年06月03日

FIMBA総括 その5

イギリス時間: 6月2日 25:00

久々にコースメイトと飲みに出ていました。留学生は多くが帰国してしまったので、昨日のメンバーはイギリス人主体になりました。やはり飲みながらフットボールや将来について色々な話をするのは楽しいですね。

さて、今回もFIMBAの総括です。今回はプレイスメント(インターン)と修士論文についてお話します。修士論文については、私もまだスタートしたばかりなので、かなり大雑把な内容ですが・・・。

前回同様、内容には過去のブログエントリと重複するものもあります。また、内容は特に記されていない限り、2007年6月2日現在のものです。


先日の総括で書いたように、5月から9月はほぼ自由となり、この期間を使って自分でスケジュールを立て、論文を完成させることになります。そんなわけで、実に時間の有効利用を中心とした自己管理が必要になります。

まずプレイスメントについて。一番重要な点は、プレイスメントはあくまで任意であり、必ずやる必要はないということです。プログラムの一部として組み込まれていないので、当然大学からのサポートはそれほど徹底したものではありません。他大学のMBA(特にアメリカに多いと聞きますが)のように、大学がプレイスメントの受け入れ先手配をある程度まで面倒を見てくれるということは、FIMBAにはありません。では、ただ何から何まで自分でやる必要があるのかというとそうではなく、FIMBAの評判と、教授陣や卒業生がフットボール産業とのつながりを持っているということを、自分次第で有効活用することは出来ます。また、人によっては教授陣から個人的にプレイスメントの話を振られることもあります。個人的にはこれはかなり大きなアドバンテージだと思いますが、コースメイトによっては「それでもサポートが不十分だ」という人もいます。

その理由の一つは、欧州以外においてはあまりFIMBAネットワークの活用が出来ていないことが挙げられます。例えば日本や韓国でプレイスメントを探そうという時に、FIMBAのブランド、および教授陣の人脈はあまり効力がありません。また、別の理由として、”何でもいいからやりたい”というアプローチをする学生には、おそらくサポートが不十分のように見えると思います。FIMBA、そして教授陣と卒業生の人脈はあくまでプレイスメントを探す上での入り口であって、その先は自分で何とかしなければいけません。そのときにアイディアがない状態では、まずはどこにアプローチをすべきかということさえはっきりしないと思います。しかしながら、私の過去記事でも書きましたが、プレイスメントの受け入れは「自分のアイディア(や論文テーマ)が先方の期待とフィットするか」というところも非常に大きいため、アイディアを持っていれば受け入れてもらえるということでもないようです。

もちろん、論文のテーマを持たずに、プレイスメントをさせてもらうことだけを目指すというのも一つのやり方ではあるでしょう。プレイスメントは論文のテーマと関わったものである必要はないので、将来の就職機会などを考えて、論文と関係のない分野にプレイスメントを決めたコースメイトもいます。Rogan教授が口を酸っぱくして言うのは、「将来のキャリアに繋がるところでプレイスメントをしろ」ということです。この点については学生によって捉え方が違うと思います。経験を積むことに主眼を置く人もいれば、単純に人脈を作ることに注力する人もいます。また、論文が将来の就職活動に生きると思えば、論文執筆に役立つプレイスメントを行うのも一つのやり方ではあります。

実は先日、私もプレイスメントの受け入れをしてもらえることになりました。詳細をどこまで書いていいのか分からないので今は伏せておきますが、6月から8月までの2ヶ月間、先方のオフィスで勤務することになります。論文のテーマとかなり近い部分で先方にニーズがあったことが受け入れの決め手になったようで、実に6つほど当たって最後の1つでやっと”フィット”したというところでしょうか。事実、似たような内容の提案を別のところにした時は失敗しているので、そういう意味では運とタイミングの要素も関わってくると思います。


プレイスメントが終わると、論文執筆となります。文字数は15,000単語から20,000単語という、私にとっては今まで書いたことのない長さです。準備コースの時は5,000単語の論文を書きましたが、その3倍以上ということでかなりクラクラきています。しかし、大まかなフォーマットが決まっていることもあり、実質は4,000単語のエッセイを3本と、序章と結論をあわせて3,000〜4,000くらい書けば良さそうな感じです。そう考えると少しは気休めになります。

論文のテーマ選定は3月末までにある程度固めておく必要があり、その後5月末にプロポーザルの提出が課されます。プロポーザルでは使用する文献やどういった方法でリサーチを行うかなど、それなりに具体的な内容を書く必要がありますが、この時期はまだプレイスメントの調整をしている学生も多く、意外と苦労するポイントでもあります。

プレイスメントをやる場合は、プレイスメントを通じてインタビューやアンケートをとったりすることが多いようです。一方でプレイスメントをせずに、多くの関係者にインタビューをして回るというのも一つのやり方で、昨年の最優秀論文は実に40名以上の関係者にインタビューをして回ったというものでした。

テーマは自由ですが、MBAということもあってビジネスの要素を含んでいることが前提になります。コースメイトの一人がヒルズボロについての論文を書こうと考えたのですが、MBAの論文として相応しくないといわれ、断念したと聞きました。数あるテーマの中でもマーケティングが人気で、私もそのキャッチーなトピックを選んだ一人でもあります。

論文の提出は9月末日、それが終わるとコースは基本的に終了です。その後2ヶ月ほど待たされて卒業可否(MBA取得可否)の連絡が来るそうですが、これもみんながみんなMBAを取れるわけではなく、論文のできが悪ければ最悪MBAを取れずに終わるということもあり得るとのことです。緊張しますなぁ・・・。

というわけで、今日はこれまで。明日は私がFIMBAで学ぶにあたって役立った本などを紹介したいと思います。


1年前はこんなこと書いてました:
2006年06月02日 バングラデシュ再び
ワールドカップの前に大学に対してTVを買えと要求→暴動、というステキすぎるバングラデシュの大学生たちです。

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posted by gouk at 21:35 | Comment(2) | TrackBack(0) | FIMBA総括
2007年06月02日

FIMBA総括 その4

イギリス時間: 6月1日 22:00

気づけばいつの間にか6月になってしまいました。論文提出まであと4ヶ月、今日は自宅でカレンダーを作り、今分かる範囲での予定を書き込んでみました。といってもほとんど空白で、この空白をどうすごすかで論文の出来が左右されるのだろうなぁ、と感じています。

さて、今回も引き続きFIMBAのモジュールについて解説します。

前回同様、内容には過去のブログエントリと重複するものもあります。また、内容は特に記されていない限り、2007年6月1日現在のものです。


第2セメスターの前半は、3つのモジュールを受講しました。

・ Managing Change(変革管理)

組織が存続するために必ず直面する組織内外の変革の本質を理解し、その対処を学術的研究を通じて学ぶというモジュールです。非常に簡単に言うと、何かを変えるときにどういった障害があるのか、あるいはその障害はどうして生まれるのか、ということをしっかり分かっておきましょう、ということだったのだと思います。”思います”というのは、実際あまり理解できていないからです。個人的な感想でいえばこのモジュールは、全てのモジュールの中で最もつまらなく、また講義の組み立てや評価手法も最低のものでした。何も学ばなかったとは言いませんが、とにかく授業内容もさることながら、それ以外の部分でイライラさせられることの多いもので、なぜか評価はそれなりに良いものでしたが、あまり実践に生かせる内容が身についたかとは言いがたい印象です。キーワードは、Change Management, Leadership, Motivation, Organisational Structure など、となるのでしょうか。これは私の中でも少しはっきりしません。

モジュール評価はグループでのプレゼンテーションと、2,500単語程度のエッセイにより決定されました。


・ Football and Media(フットボールとメディア)

現代フットボールと切っても切り離せない関係にあるメディアについて、その誕生から現在の業界の傾向にいたるまで、幅広い視点から理解するためのモジュールです。Rogan教授の講義が中心で、彼は実際に数々の歴史の目撃者であるということで、本やビデオでしか知らなかった内容を、その場にいた当事者としての視点を交えてより深く掘り下げてくれました。単純に”悲劇”という観点で取り上げられることの多いヘイゼルやヒルズボロといったフットボール界での大きな事故・事件を、メディアとの関係、そしてその影響という点で解説してもらったことは、コースを通じて最も驚き、感心した経験です。

評価項目は個人でのプレゼンテーション、および3,300単語のエッセイでした。


・ Football and Finance (フットボールと財務)

フットボール産業を財務、そして時には経済学的な観点から理解することを目的としたモジュールです。非常に堅苦しい内容を想像していましたが、実際に受講してみるとRory教授の質の高い講義内容に加え、巧みに学生の参加を促してくれたこともあり、多少分かりにくい内容にも楽しんで取り組めました。クラブの収益構造のような基本的な話から、リーグ構造の変化による財務インパクト、リーグ内競争率の重要性、あるいはクラブの資金調達やクラブの価値評価についても勉強しました。時折使われる単語の難しさに閉口しながらも、ディスカッションが中心だったおかげで、自分の準備次第で非常に有意義なものにもなるという実感が持てる授業でした。グループワークの多さは負担にもなりましたが、1人で難しいトピックに取り組んで学習するよりも、比較的容易に多くのことを学べたと感じています。

1,500単語のエッセイと3,500単語のエッセイで評価が決まります。


後半に受けたモジュールは以下の2つです。スポーツマーケティングの授業については、私は本来履修していないので受けられないのですが、教授に許可をもらって講義に参加させてもらいました。


・ Football and the Law (フットボールと法律)

コース開始時に最難関になるだろうと予想していたモジュールです。文字通り、フットボールと法律の関係について学びます。心配されたとおり、専門用語の多さとイギリス、あるいはEUそのものや関連する法律についての知識のなさのおかげでかなり苦戦しました。しかし、内容そのものはそれほど深いところまで触れません。どちらかというと駆け足に、関連する法律や事例などをたどっていくという感じで、深さよりも幅広さが得られたと感じています。もちろん、展開が速いのでついていくのは大変ですが、モジュールの講師でFIMBAのコースダイレクターでもあるGeoff教授は教え方が非常にうまく、講義構成も良く考えられており、意外なことに授業そのものは非常に楽しかったです。また、彼が「法律に関して無知な学生でもこのモジュールは落第者がほとんどいない」というとおり、分からないことや質問にはかなり親切に答えてくれるため、あまり心配しすぎることはないかもしれません。事実、私はこのモジュールで、全モジュールを通じて最高の評価をもらいました。分からないものですね・・・。

評価は1,500単語のエッセイと3,500単語のエッセイを元に行われます。


・ Sports Marketing and Intellectual Property(スポーツマーケティングと知的所有権)

スポーツマーケティングにおける基本的な内容と、現在の問題点などについて学びます。知的所有権についてのセッションでは、アンブッシュ(ゲリラ)マーケティングについて著名なゲストが講義をしてくれ、このトピックに興味のあった自分としては非常に有用なモジュールでした。個人的には少し時間が短すぎるかなと感じましたが、この先に自分の興味のあるスポーツマーケティングのトピックをより深く掘り下げる前段のものとして意味のあるモジュールだと感じました。修士論文でマーケティングをテーマに選ぶ学生は多く、私もその一人なのですが、そのテーマ選定において問題点を洗い出したり、掘り下げたりするために、このモジュールを受講したことが生きてくると思います。

個人でのプレゼンテーションと2,500単語のエッセイによって評価されます。


さて、今年から始まった新しいモジュールである、Management Gameもこのセメスターで行われました。ただ、他のモジュールと違い、セメスターを通じて変則的なスケジュールで行われたため、他のものと切り離してご紹介します。


・ Management Game(マネジメント・ゲーム)

先日の総評で軽く触れたとおり、希望者20名強のうち成績上位者12名が参加しました。プレミアリーグの一つ下のリーグ、Championshipでプレーしている Norwich City Football Club(NCFC)の協力の下、実際のクラブでクラブマネジメントのシミュレーションを行ったり、ビジネスプランを検討したりして、実戦に基づいたマネジメントを学ぶというモジュールです。NCFCはイングランドのフットボールクラブの中でもマネジメントに力を入れているクラブで、ビジネスに通じたエキスパートを要所要所に採用し、非常に積極的なマーケティングを行っていることでも知られています。実際に行ったことは、NCFCのオフィス(=スタジアム)にて、シナリオに基づくリスクアセスメントと意思決定のプレゼンテーション、そしてマーケティングに関するビジネスプランの作成・プレゼンでした。英語力が強く要求されるモジュールだったので、アジア人で参加した私を含む3名はかなり(ネガティブな)ショックを受けました。それでも、他のどのモジュールよりも実践的で、生きたビジネスに触れることができ、様々なことを学ぶことができました。

プレゼンとエッセイ、そしてモジュールへのフィードバックが評価基準です。


と、以上で”受講する”モジュールは終了です。全てのモジュールは第2セメスターの終わり、つまり4月末の段階で終了します。あとは各自で担当教官と話し合いながら、修士論文を進めたり、必要であればプレイスメント(インターン)を行うことになります。この辺りについては明日、簡単ながらご紹介しようと思います。もちろん、まだ終わってないことなので概要程度にとどまると思いますが。


1年前はこんなこと書いてました:
2006年06月01日 ワールドカップの魔力
いまや世界一のスポーツイベントとなったワールドカップも、FIMBAで学んだことを踏まえて見ると色々面白いことに気づきます。

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posted by gouk at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | FIMBA総括
2007年06月01日

FIMBA総括 その3

イギリス時間: 5月31日 23:00

大学に過去の論文を探しに行こうと思ったのですが、今日は曜日をすっかり間違えてしまい、のんきに洗濯や掃除などをしていました。論文などが保管されている部屋は水曜と木曜しか開かないので、来週までお預けになってしまいました。というわけで、とりあえずは今あるものを読むことにします。

さて、今回もFIMBAの総括です。モジュール解説編その1ということで、第1セメスターにこなしたモジュールについてお話します。

前回同様、内容には過去のブログエントリと重複するものもあります。また、内容は特に記されていない限り、2007年5月31日現在のものです。


● モジュールについて(1/3)

FIMBAのカリキュラムは、以下の通り大きく3つに別れています。

第1セメスター:
・9月末〜12月中旬で4つのモジュール
・年明けの1月半ばにはテスト

第2セメスター:
・1月後半〜3月末で5つのモジュール
・今年に関しては第2セメスターはテスト無し

その他:
・5月初旬〜9月末で論文執筆
・6月〜7月に希望者はプレイスメント(インターン)


今回は第1セメスターのモジュールについて簡単にご紹介します。

まず、基本的にモジュールの講義は「Block Teaching」と呼ばれる、1日ぶっ通しでの講義スタイルで行われます。朝9時から午後4時まで同じモジュールについて学ぶので、相当の集中力と忍耐力が要求されます。また、前回のエントリで書いたように、コアMBAモジュールについては他のMBAの学生と同じ教室で受講するため、100名以上を収容する大講堂での授業となります。

また、セメスター内も前期と後期にわかれており、それぞれ5週間ずつが割り当てられます。FIMBAは4つのモジュールをこの10週間で消化するため、基本的には週に2日が講義のある日、その他の曜日はゲストスピーカーの予定がなければ何もない日になります。

ちなみに、先日のモジュールリストに書き忘れたのですが、Research Skills(リサーチ手法)というモジュールがあります。これはエッセイや論文の執筆のために必要なスキルやテクニックを学ぶというもので、第1セメスターの最初と第2セメスターの最後に行われます。あまり特筆すべき内容ではないので、紹介は割愛します。


さて、第1セメスター前期のモジュールは以下の2つでした。

・ Managing People(組織論)

組織におけるマネジメントの成り立ちを歴史から学び、その後どのように発展していったのか、それぞれのセオリーにどういった強み・弱みがあり、どう議論されているのかを学びます。また、組織における文化の取り扱いについての議論など、かなりややこしい内容にも触れます。キーワードは、Scientific Management, Taylorism/Fordism, Excellent Companies, Japanisation, TQC, Kaizen, Organisation Structure, Culture, Change Management というようなところでしょうか。

モジュールの評価は3,500単語のエッセイが5割、1月の筆記試験が5割です。


・ Managing The Environment(マーケティング)

マーケティングの全般をケーススタディを中心に学びました。毎週ランダムでケーススタディのプレゼンテーションを当てられるので、割と授業外での勉強時間が長かったモジュールでもあります。(単純に私の興味ある分野だったからかもしれませんが) キーワードは、Marketing Mix, SWOT, PLECST Analysis, Porter's 5 Forces, Ansoff Matrix, Product Portfolio Management, Product Lifecycle, Pricing, Stakeholder Analysis, Branding, Consumer Behaviour, STP Analysis などがありました。

評価はグループによる4,000単語のエッセイが5割、筆記試験が5割でした。


第1セメスター後期には、待望のフットボールモジュールが始まりました。

・ Managing Resource(会計)

非常に基本的な会計に関する知識の習得がメインでしたが、Operations Managementと題して組織内のリソースや調達についても少し触れました。会計については、個人的に苦手意識が強かったのですが、非常に丁寧な解説で分かりやすく、私はこのモジュールで、コアモジュールの中で最も良い評価を得ました。キーワードは、Balance Sheet, Income Statement, Cash Flow, Ratio Analysis, Net Present Value, Cost Management, Supply Chain Management, Operations Management といったものがありました。

評価は筆記試験に加え、2,000単語のエッセイと1,500単語程度のエッセイの提出を元に行われました。


・ International Football Industry(フットボールビジネス全般)

誰もが待ちわびた最初のフットボールモジュールです。主にイングランドフットボールの歴史を中心にフットボールとはそもそも何なのか、を学びました。ビジネスにおける商材としてのフットボールを理解するために、フットボールがどのように生まれ、どのように育ち、そしてどういった力・状況でどのように現代フットボールが誕生したのかを、名物教授のRoganが軽妙な語り口で面白おかしく講義をしてくれました。また、モジュールのタイトルに”International”とあるように、イングランドに限らず世界各国のフットボール産業についても学びます。この点において学生は学生としてだけでなく、自国のフットボール産業を他の学生に解説する講師という側面も期待されます。さらに、自国”以外”のフットボール産業についてのプレゼンテーションや、異なる地域間における産業構造の違いなど、実に幅広い内容を調査、検討することを要求されました。

モジュールの評価には筆記試験はなく、1,500単語のエッセイ、グループプレゼンテーション、そして3,500単語のエッセイの3点を提出しました。

やはりフットボールのモジュールは他のコアMBAモジュールと比べ、興味があるだけに楽しんで受講することができました。また、クラスもFIMBA生だけなので、活発な議論が交わされ、実に濃い内容となりました。他国のフットボール産業について学ぶことは様々な気づきがあり、特に途上国のフットボール産業とその問題点など、単純にビジネスとしての魅力を追求するのでなく、文化として、あるいは途上国支援のツールとしてのフットボールというものを考える良いきっかけになりました。ここでスポーツと開発に関して興味を持った学生もいます。

というわけで、今回はここまでにして、次回は第2セメスターのモジュールについてお話します。


1年前はこんなこと書いてました:
2006年05月31日 本購入
総括のどこかで、私の考える必読書と推薦図書をご紹介しようと思っていますが、このアディダスvsプーマは推薦図書の1つです。

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posted by gouk at 07:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | FIMBA総括
2007年05月31日

FIMBA総括 その2

イギリス時間: 5月30日 24:00

今回も引き続き、FIMBAの総括を書きます。今回のテーマはモジュールの概要について、のつもりでしたが、書いたらものすごい量になってしまったので、まずはコースメイトについての記事だけアップします。モジュールの概要については、3度に分けて明日以降ご紹介します。

前回同様、内容には過去のブログエントリと重複するものもあります。また、内容は特に記されていない限り、2007年5月30日現在のものです。


● コースメイトについて

前回のエントリで書いたような出願プロセスを経て、今年は28名の学生が集まりました。1年に取る学生はおおよそ30名前後ということなので、大体適当な人数が揃ったということでしょうか。

クラスメイトの国籍は様々です。イギリス人7名(うちスコットランド1名、ウェールズ1名)、韓国人6名、日本人5名、中国人2名、その他スイス、オーストリア、ギリシャ、カナダ、パラグアイ、ロシア、アゼルバイジャンから1名ずつの全27名という構成です。コース開始時にはもう1人、カザフスタンからきていたのですが、途中で辞めてしまったので現在27名ということです。ほとんどがフルタイムの学生で、パートタイムはわずか1名です。

年齢もまたさまざまで、上は40代半ばから下は22歳まで非常に幅広く揃っています。一番多い層はおそらく26〜29というところでしょうか。5年前後の業務経験を積んできている人が多いように思います。年が離れた学生がいるということはすごく恵まれていることで、特に年上の学生の配慮もあって非常に団結力とまとまりのある、良いクラスになっていると思います。また、ネイティブの学生がノンネイティブの学生とのコミュニケーションを厭わず、非常にフレンドリーだということも特筆すべきことかもしれません。

彼らの業務経歴も特にどの産業が多い、という傾向はありません。弁護士、会計士、銀行員、ITエンジニア、経理、営業/企画、マーケティング、元プロ/セミプロフットボール選手、女子フットボール選手、女子フットボールコーチ、広告代理店関連会社、クラブ関係者、政府関係者と、実に多様な顔ぶれです。フットボールに元々携わっていたという学生はおそらく3分の1もいないと思います。しかしながら、多くの学生がフットボールそのもの、あるいはフットボールビジネスにおいてマニアックな知識を持ち合わせています。

実はこの知識を持ち合わせているということがとても大事です。例えば、日本からの留学ということであれば、Jリーグや日本のフットボールビジネスにおける知識を要求されます。授業の課題としても日本フットボール界に関するプレゼンや情報提供を求められるので、留学前にあらかじめ日本のフットボール、およびそのビジネスについての基本的な勉強を済ませておく方が良いでしょう。

私は実のところ、フットボール産業に関する知識は非常に浅いものしか持っていませんでした。出願を決めて自己推薦状を書いているとき(10月〜11月頃でしょうか)に、「これからFIMBAで色々勉強します」ではまずいと思い、あわててスポーツビジネス関連書籍を購入して読みはじめた程度です。それでも、おそらく和書・洋書あわせて15冊程度、さらに準備コースの論文執筆のためにジャーナルを10本くらいは読んだと思いますが、その知識はコースの授業内容の理解や課題をこなす上でも役に立ちましたし、何よりコースメイトとの日常的な会話の中でも、知識の基盤として活躍してくれたと思います。

これは以降の総括でより深く触れる予定ですが、個人的にはMBAの最大の魅力は”人”だと思っています。人脈というとどうにもビジネスライクな印象を持たれるかもしれませんので、信頼関係とでも言ったほうが良いでしょうか。コースメイトはその信頼関係を築く相手として、最も身近で頼れる存在です。私は多様なバックグラウンドで、様々な国からのコースメイトが集まったことを非常にラッキーだと感じています。お酒を飲んだ後での軽口とはいえ、「5年後には経験を積んで一緒にビジネスを立ち上げよう」なんて言われると、アルコールもいい具合に手伝ってこの環境の贅沢さを改めて感じたりするものです。


今回は以上です。次回こそは予告どおり、モジュールの概要について記述します。


1年前はこんなこと書いてました:
2006年05月30日 ラーメン
最近若干ホームシック気味の私ですが、その最大の理由の一つが「ラーメン」と「トンカツ」です。私の好物であるこの2つに関しては、日本のおいしいお店で食べられるクオリティがどうやっても手に入りません。先日、同級生のリョウヘイと話をしたのが、町田の「おやじ」という味噌ラーメン屋。そして同じく町田の博多っ子。町田は正直、実家からなかなか行きづらく、かつあまり用事があるような場所でもないので実際に行くとなると腰が重いのですが、今なら食欲でそのハードルも越えられるような気がしています。

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posted by gouk at 08:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | FIMBA総括
2007年05月30日

FIMBA総括 その1

イギリス時間: 5月29日 23:30

この1ヶ月くらいで何通かFIMBAに関する問い合わせを受け取ったり、GlasgowのFIMBAイベントで再会した西野さんのブログでご紹介いただいたりしたこともあり、どこかでFIMBAに関して情報をまとめないとなぁ、と漠然と考えていました。そこで、ちょうど今は提出物を全て終えて、あとは論文だけという状況になったので、ここらでやるのが都合が良いかなと思い、まとめてみることにしました。卒業が決まっていない状況でまとめるのは少しリスキーですが、自分にとっても後でこのエントリを恥ずかしく思わないように、しっかり論文を仕上げて卒業するためのモチベーションにしようと思います。

なお、内容には過去のブログエントリと重複するものもあります。また、内容は特に記されていない限り、2007年5月29日現在のものです。


● コースの概要

The University of Liverpool, School of Management, MBA Football Industries というのが正式名称です。邦訳は、リバプール大学マネジメントスクール フットボール産業MBA、というところでしょうか。以下、FIMBAと省略して表記します。

同大学のマネジメントスクールには、MBAだけでもFinance, Marketing, HR, Generalなど多数のコースがありますが、このFIMBAはMPA(Master of Public Administration)という公的組織でのマネジメントについて学ぶコースと並び、リバプール大学をユニークなものにしているコースでもあります。ちなみに、スポーツマネジメントにおけるコースは米英に多くあれど、サッカービジネスにおけるMBAというのは世界でも唯一のものだと聞いています。

FIMBAでは、8つのモジュールを学びます。

他のMBAの学生と一緒に受講するのは、以下の”コアMBAモジュール”と呼ばれる4科目です。
Managing People(組織論)
Managing The Environment(マーケティング)
Managing Resource(会計)
Managing Change(変革管理)

FIMBA特有の科目は以下の6つです。*印がついたものが必修で、残りのものから2つを選択することになります。
International Football Industry *(フットボールビジネス全般)
Football and Finance *(フットボールと会計)
Football and the Law *(フットボールと法律)
Management Game(マネジメント・ゲーム)
Sports Marketing and Intellectual Property(スポーツマーケティングと知的所有権)
Football and Media(フットボールとメディア)

Management Gameは今季から始まった新しいモジュールで、実際のフットボールクラブと連携し、数々のシミュレーションにより、クラブにおける意思決定やビジネスモデル作成などの実践的なマネジメントスキルの獲得を目指すものです。実際の企業との連携プログラムということもあり、限られた人数しか参加することができません。今回は参加希望者20名強に対し、成績上位者12名が参加を許可されました。

さらに、FIMBAの最も特徴的、かつ有用なものとして、現場で働く様々なゲストを招いての Guest Speaker's Session というものがあります。今年は20名前後のゲストをお招きして、お話を伺いました。クラブ、リーグ、協会、マーケティング企業、スポンサー、チャリティ団体などなど、実に様々なゲストが訪れます。


● コースへの参加条件

公式ウェブサイトによると、来年の入学希望者の出願条件は、以下のとおりです。

1. 十分な英語力(IELTS 6.5、またはTOEFL 570/TOEFL-CBT 230)
2. フットボール産業にも生かせるスキル・業務経験
3. 推薦者2名、およびそれぞれからの推薦状

個人的な感想をいうと、1については出来れば出来るだけ良いです。できすぎるということはありません。TOEFL-CBTで230前後で、かつアカデミックな英語(特に読み書き)が出来れば、課題でもそこそこの評価をもらえると思います。が、実際に授業への参加・貢献はほとんどできません。多くのアジア人学生がこういった状況に陥っています。私もFIMBA前半期はその一人で、リスニングの力不足のために授業中は聞き取りで精一杯、講師の英語は何とかなってもネイティブのクラスメイトの発言が聞き取れず、そのためディスカッションについていけない、というようなことが多々ありました。さらにスピーキングに関してはTOEFLの勉強で得られるものとはまた違ったスキルが必要になりますので、聞き取れても発言ができないという学生も多かったのではないかと感じています。ちなみに、個人的な印象では、アジア人の学生が13人いた中で、最終的に授業のディスカッションに参加できていたのはほんの2〜3人で、半数近くはディスカッションの内容も理解できていなかったと思います。

2つ目の点については、最低でも3年程度の経験があったほうが良いと思います。就業経験のない学生も1〜2名取ることがある、とコースダイレクターは言っていましたが、あくまで例外的な扱いです。ネイティブならともかく、留学生で就業経験もないというのはかなり厳しいと思います。また、業務経験に関しても、コース修了後の就職を考えて、経験を将来生かすことが出来るかどうかということをご自身で検討されることをオススメします。

最後の推薦状については、出身大学から1通、仕事関連から1通の2通が好ましいとされていますが、私は仕事の上司2名からそれぞれ1通ずつ書いていただいて、提出しました。英国の大学が求める推薦状は、形式的なものでなく、出願者の人柄や経歴がより深く分かるようなもの、ということなので、自分自身を良く知る関係者から書いてもらうのが一番適当だと思います。私の場合は大学卒業以降、ゼミの担当教官と連絡を取っていなかったこと、さらにその教官が他の大学に移ってしまい、連絡先が入手できなかったこともあり、リバプール大学に問い合わせて「仕事関係者2通でも出願可能かどうか」をはっきりさせてから出願しました。


と、今回はこの辺りで終わります。次回は各モジュールについて簡単にレビューをしていきます。


1年前はこんなこと書いてました:
2006年05月29日 読む時間はなくとも
3冊とも一通り目を通しました。でもエッセイとかには使わなかったなぁ・・・。

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posted by gouk at 08:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | FIMBA総括